今回は就活対策シリーズの第1回として、OB訪問に関して、僕の体験談も交えながらお話ししていきます!
OB訪問はいつから始める?
結論、本選考が始まる2ヶ月前を目処にアポイントを取り始め、最低2人はしておきたいです。
採用時期の遅い日系企業であれば、年明けの3月~5月がOB訪問のピークでしょう。業界によってはOB訪問の評価が高いと優遇ルートが存在するため、本選考のES締切のある3月下旬までには最低1人はしておきたいところです。
一方、採用時期の早い外資系企業、ベンチャー企業であれば、夏インターン経由の選考が始まる9月~11月がピークです。
よくある「夏休みにOB訪問した方がいいですか?」への回答としては、
- 夏時点では業界理解よりもガクチカ、パーソナル系質問などの人物面にウェイトを置いて評価する企業が多い
- 完成度の低い段階でOB訪問すると、悪い評価を付けられてしまうリスクがある(詳しくは後述)
の2点から、あまり優先度は高くないと個人的には思っています。(余力があればやっても良いが、必須ではない)
OB訪問をするメリットは?
3つです。
- 業界理解、企業理解が深まり、面接で差別化できるようになる
- 社員から高評価を受けると、面接を通過しやすくなる(企業によっては優遇ルートも存在)
- 最終面接で志望度の証拠となる
順に解説します。
業界理解、企業理解が深まり、面接で差別化できるようになる
採用ページ、説明会では得られない一次情報を面接の回答に組み込むことで、差別化できるようになります。
例えば、
「あなたの強みを弊社でどう生かせますか?」
「やってみたいビジネスはありますか?」
「人と意見が衝突した際にどう対処しますか?」
といった質問に対し、実際の現場社員から知り得た勘所を押さえて話すことで、ビジネスシーンでの再現性をアピールできるようになります。
社員から高評価を受けると、面接を通過しやすくなる
OB訪問は評価の場です。
ほぼ全ての企業において、社員はOB訪問を受けた際、学生の志望度、地頭、対人能力などを評価項目に沿って評価し、人事部に提出しています。
実際僕も某企業の一次面接で、OB訪問で社員に話したやってみたいビジネスが面接官にも共有されていて、面接の場でディスカッションが始まったことがあります。
さらに、企業によってはOB訪問で優秀な学生だと判断されると別の優遇ルートに招待される事例もあります。
僕の志望していた総合商社だと、丸紅がOB訪問経由の優遇ルートがあり有名でした(6/1から面接開始のところが、5月中旬から面接が始まる)。
いずれにせよ、本番のたった30分×3~4回の面接で、自分を全て知ってもらうのは不可能ですから、OB訪問で企業に自分をアピールする機会を作るのは非常に大切です。
最終面接で志望度の証拠となる
これは言わずもがなですね。
「弊社の社員とは何人会いました?」
は最終面接でほぼ必ず聞かれます。
ロジックで塗り固められた志望動機を話すだけの人より、しっかりとOB訪問という「行動」を起こしている人の方が、内定辞退を恐れる人事側にとって安心できるのは間違いないでしょう。
僕が知っているところだと、コンサルはあまりOB訪問の数を見られない印象がありますが、伊藤忠商事、野村総合研究所、博報堂あたりは、OB訪問を通じた志望度の高さを見られるので有名です。
OB訪問は何人すればいい?
第一志望の企業には4人、それ以外は2人はしたいところです。
「10人以上しました!」という猛者も稀にいますが、もちろん多い分には問題はないものの、だからといって10人分の恩恵を得られるかといったら、体感そうでもないな〜という印象です。(落ちる人は普通に1次で落ちる)
OB訪問の流れ
どのようなルートでするか?
ルートは大きく3つ
- 先輩/知人の紹介
- キャリアセンターの名簿
- ビズリーチキャンパス
優先順位は1→2→3の順。互いに共通点が多い方が承諾率が高く、評価も甘くしてもらえる可能性が高いためです。
どの人にOB訪問をすべきか?
【年次の観点】
年次の若い人→高い人の順で申請するのが望ましいです。年次が高くなるほど評価も重くなるため、慎重に進めましょう。
【領域の観点】
自分とバッググラウンドが近い&志望領域で働いている、の2軸で考えましょう。共通の話題が生まれやすいほか、領域を絞った方が学びが深まりやすいです。
アポイントの取り方
基本的にメールまたはビズリーチキャンパス内のチャットで問題ありません。
件名は「OB訪問のお願い(東京工業大学○年・東工花子)」など、何のメールかひと目でわかるようなタイトルをつけましょう。
以下自分が使っていたテンプレです。
〇〇株式会社
〇〇事業部
〇〇様
突然のご連絡失礼します。
東京工業大学 ◯学院〇〇系◯年の東工花子と申します。
大学のキャリアセンターに保管されているOB名簿にて〇〇様を知り、OB訪問のお願いでご連絡を差し上げました。
お忙しい中大変恐縮ですが、よろしければビデオ通話にて1時間ほどお時間いただけないでしょうか。
以下可能日程・自己紹介スライドになります。
・可能日程(ご都合が合わなければ再調整させていただきます)
5/22(月) 12:00~18:00
5/24(水) 12:00~18:00
5/25(木) 8:00~10:00,15:00~17:30
5/29(月) 8:00~16:00
・自己紹介スライド
https/〇〇(googleスライドで共有していました)
ご承認いただけた場合、今後最終的な日程確定と具体的な質問項目の事前共有と進めてまいりたいと考えています。
よろしくお願いします。
東京工業大学 ◯学院〇〇系東工花子
携帯番号;
メール:
承諾率を上げるには?
社員の方も忙しいので、ビズリーチキャンパス経由だと承諾率が30%程度です。
僕は以下の点を意識していました。
- 目に入る時間帯に送る
狙い目は就業前の朝です。朝はメールチェックを行うため、埋もれず返信率が高くなります。ビズリーチキャンパスでは携帯からの返信も考えられるため、就業後の夜も良いでしょう。 - 依頼メールで他の就活生と差別化する
特に以下の3点
・自分と似ているバッググラウンドであることを示す
社員の方に「〇〇だから貴方とお話ししたいんです!」を明確に伝える。自分に興味、理解のある人の方が話したくなる。
・自分の情報を伝える
自己紹介スライド3枚程度(詳細は後述)を使用して、自分に興味を持ってもらう。
・相手の負担を減らす
日程の提示、質問の事前共有を行い、キャッチボールの回数を減らす。
OB訪問後
その日中にお礼メールを送る。お礼メールのテンプレは以下。
〇〇株式会社
〇〇事業部
〇〇様
お世話になっております。
本日はお忙しい中、貴重なお時間いただきありがとうございました。
〇〇様とのお話を通じて、〇〇関してより理解を深めることができました。
特に〇〇ついて、社員の方の視点から議論できたことが何よりも嬉しかったです。
面談を通じて得た知見を活かし、貴社にご縁をいただけるよう全力を尽くしていきます。
重ねてですが、本日は貴重なお時間いただきありがとうございました。今後とも何卒よろしくお願いいたします。
東京工業大学 ◯学院 〇〇系◯年 東工花子
携帯番号:
メール:
OB訪問中どんな流れで進めるか?
自分は以下の流れで進めていました。
- 時間の使い方、目的の共有
- 互いの自己紹介
- 事前共有した質問に沿って聞いていく
質問の段階では、最初のうちは社員の方が話題の中心になるよう意識しましょう。
例)「〇〇さんは大学時代どんなことをされていたのですか?」
「その経験からどうして〇〇業界を志望されたのですか?」
「今はどんなプロジェクトに携われているのですか?」
具体的な経験から聞いていくと、自分に興味を持ってもらえていると思われて良いです。上のように時系列に聞いていくとスムーズでしょう。
その後、徐々に抽象度を上げていき、自分の聞きたいことを聞いていきます。
OB訪問でどんなことを聞くべきか?
以下に例を挙げておきます。
ただテンプレ質問を投げるだけにしないよう意識してください。
正直、まともな企業分析を行っていれば、60分の尺では聞ききれないほどの疑問が出てくるのが普通です。あくまで幅出しに使ってください。
・大学時代の経験と、そこからなぜ〇〇業界を志望するに至ったのか
・その中でもなぜ御社なのか
・就職活動の軸。それは今満たされているか
・今携わっている事業
・1日の流れ
・やりがいを感じる瞬間
・1番大変だったプロジェクト
・活躍している社員の特徴
・どんな社員が多いか
・入社後のギャップ
・今後10年のキャリアビジョン・自分の強みだと思うこと。それがどう業務に生かされているか
必ず意識してほしいのは、オープンクエスチョンにせず、「私は〇〇だと考えているのですが、どう思いますか?」といった仮説検証の形で質問することです。
社員側からすると、
「質問の論点が明確で回答しやすい。この子優秀だな」
「しっかり弊社のことを調べた上で質問してきている。志望度高そうだな」
といった印象を抱きやすくなります。
さらに僕は差別化として、「自分のやってみたいビジネスをスライド10枚程度でまとめて、社員とディスカッションする」をしていました。流石にここまでやる就活生は稀なので余裕があればで十分ですが、自分はこれによって評価を獲得し本選考を優位に進められたので、やってみる価値はあると思います。
補足資料①自己紹介スライドの例
補足資料②やってみたいビジネスの例
まとめ
OB訪問は選考を有利に進めるために必須です。
最初は緊張しますが、1人2人とこなしていくうちに徐々に効率化できるので、積極的に行動しましょう。
ただし、準備ができていない段階で闇雲にやるのは、評価の観点から危険です。
しっかりと事前準備を行った上、仮説ベースでの質問を心がけましょう。
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